適菜収が選ぶ「2023年のバカニューストップ10」【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

適菜収が選ぶ「2023年のバカニューストップ10」【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第54回

 

【第7位 ほんこんが「東のほんこん」を批判】

 

三浦瑠麗

 「ワシントン・ポスト」と「ワシントン・タイムズ」を間違えながら、あさっての方向からの統一教会擁護を連発し、ネット上では「お壺ね様」「壺サーの姫」「東のほんこん」といった愛称で親しまれた三浦瑠麗。しまいには「お父さんがパチンコとか競馬でお金をスッたり、家庭内暴力で殴ったり、飲酒におぼれたり、どれも合法なんです。合法な活動で家庭が崩壊するケースはいっぱいあるのに、なぜ宗教法人(だと問題に)になるか、これは政局だからです」と意味不明なことを言い出した。そもそも「家庭内暴力」は合法ではない。

 37日、夫で投資会社「トライベイキャピタル」代表の三浦清志が太陽光発電事業資金を横領したとして業務上横領の疑いで逮捕されたが、当初、瑠麗は「まったく夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ない」と言っていた。しかし「FRIDAY」はトライベイの内部文書を入手。瑠麗が代表のシンクタンク山猫総合研究所との間にコンサル契約が結ばれていたことが判明。要するに瑠麗は大嘘をついていた。お笑い芸人の「ほんこん」は「あれだけコメンテーターで言うてはったやん。いろんな問題でも、不倫の問題とかお金の問題とか。辛口やってんやろ? 俺は辛口よりか『なんかズレてんちゃうかな?』と思ってたけど」と瑠麗を批判。もうカオス。不毛な東西対決。

 

【第6位 黒岩祐治のニュルニュル問題】

 

黒岩祐治

 黒岩祐治が神奈川県知事に4回目の当選を果たした。面白かったのは「週刊文春」の黒岩の過去の不倫報道。私は他人のスキャンダルには興味はないが、黒岩が愛人に送ったメールの内容は圧倒的に面白い。

A子の料理ってどんなかな?アワビにバナナをさしたやつとか、桃にキュウリをさしたやつとか》

A子は日陰者じゃないけど、いつも「すごいエネルギーたまってる」し、「感じ」やすいよな~。エックス線でもあてたろか? なに~、セックス線だって!ばっかぁ~っ!また言っちゃった!なにまたイっちゃった!?

《北朝鮮! ミサイルでもぶっ飛ばしてくれねえかなあ~。雨にも負けず、遊びほうけている奴らに平和の意味を教えてやらんといかんなあ~。放送では絶対に言えないから、A子だけに本音を放出!ドッピュー!!ところでモロホンのドッピューは18日(月)でいかがカナ?》

《本番前のホンバン?バッカァ~!!生放送前のナマだよ~!!ニュルニュル~~~。ビチョォッ~~~~。ドキュ~~~~~~~ン!!》

 素晴らしいとしか言えない。頭から何か液体でも漏れているのだろうか?

 

■権力の中枢に泥棒が食い込んでいた

 

【第5位 石川県のうっかり屋さんが大活躍】

 

馳浩

 石川県知事の馳浩が、東京五輪招致に関する黒幕の名前をポロッと漏らしてしまう。馳は講演で、2013年に招致が決まった東京五輪をめぐり、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)の委員約100人に対し、内閣官房報償費(機密費)で贈答品を渡したという趣旨の発言をした。また、当時首相だった安倍から「五輪招致は必ず勝ち取れ」「カネはいくらでも出す」「官房機密費もあるから」と告げられたとした。安倍が機密費を使った買収工作を命じていたことを喋ってしまったわけで(その後、説明は二転三転)、うっかりにも程がある。もはや買物しようと街まで出かけたが財布を忘れたサザエさんレベル。

 

【第4位 工作員「Dappi」と自民党の関係】

 

小渕優子

 安倍や麻生太郎といった特定の政治家が有利になる情報を流してきた工作員「Dappi」の正体が明らかになった。IT関連企業「ワンズクエスト」社長の小林幸太である。「Dappi」が流した近畿財務局職員に関するデマについて、東京地裁は「(前略)被告小林の指示の下、被告会社の従業員あるいは被告小林によって行われたものと認めることができる」と認定。問題は誰が小林を動かしていたかである。自民党は同社の主要な販売先のひとつだった。さらには訴訟が提起された後、少なくとも昨年まで、小渕優子が代表を務める政治団体が「ワンズクエスト」と取引を続けていた。わかりやすすぎる「悪」。

次のページ第2位 パンツ泥棒が今度は〝税金泥棒〟の疑い

KEYWORDS:

 

✳︎KKベストセラーズ  適菜収の好評最新刊✳︎

日本をダメにした 新B層の研究

✳︎

全国書店、Amazonで絶賛発売中

以下のカバー画像をクリックするとAmazonページにジャンプします

  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

✳︎

第一章 内田樹と『日本辺境論』

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

 ✳︎

第二章 自立を拒絶する人たち

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

 ✳︎

第三章 「正義」を笠に着る人たち

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

 ✳︎

第四章 陰謀論に走る人たち 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

✳︎ 

第五章 無責任な人たち

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

✳︎ 

第六章 恥知らずな人たち

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

✳︎ 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

 ※上のカバー画像をクリックすればAmazonページにジャンプします

オススメ記事

適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

日本人は豚になる: 三島由紀夫の予言
日本人は豚になる: 三島由紀夫の予言
  • 適菜 収
  • 2020.11.05
日本をダメにした新B層の研究
日本をダメにした新B層の研究
  • 適菜収
  • 2022.08.10
思想の免疫力: 賢者はいかにして危機を乗り越えたか
思想の免疫力: 賢者はいかにして危機を乗り越えたか
  • 中野剛志
  • 2021.08.12